箏は簡単に音が出せます。調子を調えた箏の絃を軽く上から下へ流し弾くだけで、そこには、情緒溢れる世界が広がります。有名な「さくらさくら」でさえも、比較的短時間で弾くことができます。
そして、その裏には奥深い世界があります。
例えば、箏の代表曲「六段の調」は、非常にシンプルな構造で、初心者がまず学ぶ曲の一つでもありますが、何度弾いても飽きない不思議な魅力を持った曲であり、「六段に始まり、六段に終わる」などと言う人もいます。
こうした「六段の調」に代表されるように、箏の音楽には簡素でありながら、名曲と呼ばれる曲が多くあります。(勿論、技巧を凝らした華やかな曲もあります。)
こうした簡素な名曲は高度な技巧はなくとも、「若々しい端正な演奏」から、「人生の重みを感じさせる演奏」まで幅広い表現が可能です。だからこそ開始年齢には上限がありません。
「六段の調」のように、魅力的な独奏曲もありますが、箏には合奏によって演奏される曲が非常にたくさんあります。
箏だけの合奏曲もあれば、三味線、尺八。さらに、フルートなどの西洋楽器との合奏する曲もあり非常に多彩です。こうした様々なアンサンブルが気軽に楽しめるのも箏の魅力の一つと言えるでしょう。
また、地歌箏曲の最も小さなアンサンブルの形態とも言えるのが「弾き歌い」です。「箏曲」や「地歌」の出発点である「箏組歌」や「三味線組歌」は、「弾き歌い」が基本となっており、それに続く古典作品の大半も、「弾き歌い」の形式をとっています。歌いながら弾くというのは最初は難しいかもしれませんが、弾き歌いによって音楽の世界が大きく広がります。
決して、艶やかで伸びのある声でないといけないわけではありません。音量はなくとも、齢を重ねた渋みのある声も勿論素敵です。自分なりの声色で歌えるのが地歌箏曲の魅力でもあると思います。ぜひ挑戦してみてください。
箏や三味線のある空間。
長い歴史の中で淘汰されてきた楽器は置いておくだけで、その空間を上質なものにしてくれます。そして、おもむろに、楽器を奏してみてください。
ほんのさっきまで日常であった空間が、自分の意識の中で非日常空間に変わります。
このような体験は、日々の生活に潤いや活力をきっと与えてくれるでしょう。
月謝制 | ¥11,000(学生¥5,500)/ 月 |
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■ | 箏と三絃の両稽古の場合は、別途考慮いたします。 |
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■ | 年間24回(2回/月)の稽古を原則としています。 1回のお稽古は、40分ほどです。 |
■ | 日程は相談に応じます。演奏会やおさらい会前にしっかりお稽古したいときには頻度を多めに、他のご予定でお忙しいときには少なめに等、ご都合に合わせてレッスンの頻度を変えることができます。(但し、講師の演奏会の予定などにより、ご希望に添えない場合もございます。) |
■ | 年間24回を越えるお稽古をご希望の場合、超過分ついては《ワンレッスン制》に準じます。 |
ワンレッスン制 | ¥5,400/ 回 |
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■ | 日程は相談に応じます。(但し、講師の演奏会の予定などにより、ご希望に添えない場合もございます。) |
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函南教室 | 〒419-0125 静岡県田方郡函南町肥田930 |
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出張レッスン | お稽古できるスペースがあれば、沼津・三島・伊豆地域をはじめ全国に出張稽古も可能ですので、ご相談ください。その場合、楽器についてはこちらでご用意もできます。 |
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楽器について
- 箏の重さ・長さは?
- 重さは、3~5㎏と言われています。楽器の内側はくり抜いてあるため見た目ほど重くはないと思います。長さは、約180㎝です。
- 箏はどのように保管すれば良いでしょうか?
- 高温多湿は避けた方が良いでしょう。外出用の密閉性の高いカバーや押し入れや物置などに長期間保管するのはおすすめできません。(かびが生えてしまうこともあるようです。)また、弾かない時は、琴柱を外して油単(ゆたん)(布製のカバー)に入れておくことをおすすめします。
- 箏や三味線はどのような材質から作られていますか?
- 箏の本体部分は、一般的に桐の木でできています。装飾部分など他の細かい部品には、象牙や、紅木・紫檀・花梨などの木材が使われています。また、三味線は、 棹部分は、紅木・紫檀・花梨などの木材が使われ、紅木が最良とされています。胴部分は主に花梨の木で枠が作られ、猫または犬の皮を張ります。糸巻部分は象牙・黒檀などが使われます。撥(ばち)は、鼈甲、象牙、プラスチックなどが使われています。
- お稽古を開始する際、必ず楽器は購入しなければなりませんか?
- すぐに購入していただく必要はありません。 何度かお稽古をしてみて、購入を決めるのも良いですし、楽器のレンタルも可能です(有料¥1,500/月、数に限りあり)。なおレンタルしているお箏は普及品です。より良い音色を求められる場合は、購入をおすすめいたします。
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演奏について
- 必ず正座で演奏しなければなりませんか?
- 箏の場合、立奏台と呼ばれる、箏を置く台に乗せて椅子に腰掛けて演奏することもできます。三絃の場合も、椅子に座って演奏することもできます。 お稽古の際は、箏は原則として椅子に座って、三絃は正座で行います。
- 箏を弾く時に、右手の指にはめているものは何ですか?
- 箏爪(ことづめ)と呼ばれる義爪で、単に「爪」(つめ)と略して呼ぶ場合もあります。一般的に、象牙でできています。
- 絃を左手で押さえる奏法があると聞きました、痛くなりませんか?
- 「押し手」と呼ばれる奏法で、初心者の方にとって大きなハードルの一つでしょう。私もそうでしたが、最初は、指先が痛くなります。しだいに、指先の皮膚が厚くなり、痛くはなくなります。「押し手」は単に音程を上げるだけでなく、「押し手」によって得られる独特の音色があるように思います。「押し手」を修得することに伴う困難は、箏曲の神髄に近づく一歩として大きく報われることでしょう。
- 練習スペースはどのくらい必要ですか?
- 箏の場合、長さが約180㎝ありますので、最低2㎡ほどのスペースが必要でしょう、三絃の場合は、畳1畳分くらいのスペースがあれば練習できます。
- 他の楽器と合奏はできますか?
- 主に箏同士や三絃、尺八と合奏ができる楽曲がたくさんあります。 むしろ、独奏曲の方が少ないと言えるでしょう。
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お稽古について
- 箏と三絃は必ず両方習わなければなりませんか?
- 当教室では、必ずしも両方習う必要はありません。 古典作品を演奏する場合には、両方演奏した方が曲の全体像がつかみやすくなるとは思います。 お免状の取得を希望される場合には、必須となります。
- 箏と三絃はどちらが難しいですか?
- メカニカルな技術面での難易度から言えば、三絃の方が圧倒的に難しいと言えるでしょう。理由は、「楽器を構える難しさ」や、「音の高さなど音の大部分を自分で作っていかなければならない」点にあります。逆に言えば、そこが三絃の面白さでもあり、三絃から生まれる豊かな音色感を引き出せるようになった時の喜びはその困難をもって余りあると言えるでしょう。
- お稽古の際は、楽器を持参しなければなりませんか?
- 原則として楽器は、教室の方で用意します。
- 免状は必ず取得しなければなりませんか?
- 免状の取得は強制いたしません。 希望される場合であっても、免状の取得は専門家への一歩と考え、その認定にあたっては、他の教室と比べてより厳格に行います。 また、当方でお出しできる免状は、「生田流箏曲正絃社」から発行されるものです。他の流派で免状を取得したい!といった場合には、転門(先生を変えること)のご相談にも応じます。
- 他の先生に習いたくなりました・・・。
- 何年か習う中で、求めている音楽性や方向性と講師の持っているそれにずれがあったり、講師の指導能力の範疇を越えていたりした場合など、他の先生に習いたくなったときには、積極的に応じます。また、適切な先生を紹介するなどのご相談にも応じます。 箏曲や三絃の世界は、流派が非常に多様です。それぞれの流派は得意とする楽曲やジャンル、更に音楽性までも異なっており、独自の特色を持っています。 これらの違いによる好みは、ある程度習熟してからでないと分からない場合が多いため、当教室では、転門のご相談に出来るだけ応じるようにしています。
- 子どもに箏を習わせたいと思うのですが、何才ぐらいから始められますか?
- 3才から始められる方もいらっしゃいます。
ちなみに、私は6才から始めました。 - 尺八を習っていますが、箏との合奏の勉強はできますか?
- 合奏をしてみたいのだけれど、相手をしてくれる人がいない・・・、合奏の合い口を勉強したいなと、合奏のお稽古にも、私のレパートリーの範囲内で、対応しております。
箏・三絃に限らず、尺八を演奏される方など、お気軽にお問い合わせください。
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その他
- 演奏を披露する機会はありますか?
- 門下生のみで行う「おさらい会」やホールでお客様の前で演奏する「発表会」を開催予定です。 また、上達された方は、地元の介護施設や病院などでの慰問演奏などにも参加することもできます。
- 流派はどのように分かれていますか?
- 一般的に、箏曲の場合、大きく分けて山田流、生田流に分けられています。そして、それぞれの流派から更に細かく分派していく構図になっています。 それぞれの流派は、得意とする楽曲やジャンル、更に音楽性までも異なり、独自の特色を持っています。
- 着物は必ず必要ですか?
- 普段のお稽古の際は着物である必要はなく、普段着で構いません。演奏会など、舞台で演奏される場合には、「見た目」という要素も関わってきますので、演奏する曲目にもよりますが、着物などの適切な衣装で臨んだ方が、演奏の出来をきっと補ってくれるでしょう。
「なぜ、お箏を始めたんですか?」
何度となく頂いたご質問です。
実のところ言うと、私の場合本当に一瞬の気の迷い・・・いや、
「偶然」なのです。
母のふとした一言
「箏をやってみたら面白いんじゃない?」
この一言が全ての始まりでした。
それから良き師、良き仲間に出会い・・・
自分の話になってしまいましたが、私の場合、箏にまつわる音楽が
「面白いかも」という気軽な気持ちが全ての出発点だったのです。
だから、今少しでも興味があって弾いてみようかなと思われる方!
私はその「面白いかもしれない」という気持ちを全力で応援します。